Officeソフト2007年のまとめ
2007年のオフィスソフトは、Microsoftで明け、Googleで暮れた。鳴り物入りで登場した「MicrosoftOffice2007」だが、UIが大幅に変更されたこともあって、とくに旧バージョンからの移行ユーザーには評判が良くないようだ。それに対して、まだベータ版で、機能的にも不完全な「Googleドキュメント」だが、ユーザーの関心はとても高い。実際に私が受けた原稿依頼の数でも、知人との会話でも、趨勢は完全にWebアプリケーションに移っているといって良いだろう。2007年を終わるにあたり、Web対応のオンラインアプリケーションの現状を記録しておこうと思う。
上記のPDF(OpenOffice.orgを使って作成)→[こちらをクリック]
↓ GoogleSpreadsheetsを使ったデータ公開
http://docs.google.com/Doc?id=dccxmt9w_55zrc4r3ft
上記は某雑誌のために作成したものだが、ページ数の関係で掲載することができなかった表だ。作成時期は11月で、しかもWebアプリケーションは日々刻々と変化しているので、すでに状況の変わっているところがあるかもしれないが、ご了承いただきたい。
いくつかコメントを付け加えておこう。
2007年末現在、認知度では「Googleドキュメント」がトップだが、それに続いているのが、「ThinkFreeOnline」と「Zoho」だ。まず、この2ソフトを取り上げて、簡単に紹介しておこう。
ThinkFreeOnlineは、非常に完成度の高いWebアプリケーションだ。Microsoft Officeの機能を忠実に再現している。機能だけを比較すれば、Googleドキュメントを大きく超えていて、ここで取り上げているWebアプリケーションの中ではナンバーワンといって良いだろう。
ただし、それには、条件がある。ThinkFreeOnlineは、Ajaxを使った「クイックエディット」モードと、Java環境で実行する「パワーエディット」モードに分かれていて、どちらかの編集機能を切り替えて選択するようになっている(画面1001)。そして、いま述べた強力な編集機能は、Java環境を使ったパワーエディットで実現されている。
これをユーザーの側からみて、違いを具体的に説明すると、次のようになる。
強力な編集機能を使うためには、まず準備作業が必要だ。あらかじめJava (JRE)をインストールしてWebブラウザで有効になるように設定しておく。そして、実際に編集機能を使うときには、Javaアプレットが起動するのを待たなくてはらない。筆者の環境(ADSL)では、50秒ほど待たされる(2回目からはキャッシュが働くのでだいぶ短縮する)。
それに対してAjaxを使った「クイックエディット」なら、JavaScriptを有効にしておくだけで、ほとんど待ち時間なしに利用できる。しかし、残念ながら、こちらの編集モードの場合には、機能が制限され、Googleドキュメントには及ばない。
もともとThinkFreeOnlineは、Javaを利用したソフトであった。Googleドキュメントをはじめとする一連のオンラインアプリケーションに対応してAjaxのモードを追加したのだが、結局、ソフトウエア全体として見たときに、どっちつかずの中途半端なものとなってしまっているのが惜しまれる。
トップを走っているGoogleドキュメントのもうひとつのライバルはZohoだ。こちらは、ワープロ、表計算、プレゼンテーションだけでなく、実にさまざまなアプリケーションをオンラインで提供している(画面1002)。
Googleは、GoogleGearsと呼ぶ、オンラインのアプリケーションをオフラインで利用するための機能の提供を始めたが(現在Beta版)、そのGoogleGearsにもいち早く対応するなど、先進的なWebアプリケーションといえる。本家のGoogleドキュメントは、まだこの機能に対応できていない(ただし、Zohoも、今のところは、ZohoWriterのみの対応となっている)。
なお、ZohoWriterは、アカウント登録なしで編集機能を試してみることも可能だ。ぜひ、触れてみてほしい。
さて、最後にそれ以外のWebアプリケーションについて一言加えておこう。
Webアプリケーションは2年ほど前に登場し、それから1年間で数多くのサイトが名乗りを上げた。そのうちのいくつかはGoogleに吸収された。残りのサイトを見ると、1年ほど前までで開発がストップしているところが多い。Googleの勢いを見て、競争から降りてしまったということなのだろうか。これは少し残念だ。Webアプリケーションは、まだ発展途上だ。これから、たくさんの可能性が出てくると思う。Googleの、やや強引な引き抜きが、その芽を摘んでしまっているのかもしれない。
ただ、単機能のWebアプリの中には、特徴的な機能を前面に出して元気で頑張っているものもある。このあたりに望みを託そう。機会があれば、そういったWebアプリを紹介したいと思っている。
2008年も、新しいいろいろな試みが登場して、ユーザーの選択肢が広がることを期待したい。新しい年にWebアプリケーションが大きく羽ばたくことを祈って、2007年を終えることにしよう。
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